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日本アフェレシス学会雑誌:7-33-67 神経疾患領域:急性自律性感覚性ニューロパチー

7-33-67 神経疾患領域
急性自律性感覚性ニューロパチー
アフェレシスの方法 PE
アフェレシスの目的 免疫関連物質の除去,病態の改善
推奨レベル 2C
カテゴリー III
文献的報告数 RCT CT CS CR
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疾患概念
 急性自律性感覚性ニューロパチー(acute autonomic and sensory neuropathy:AASN)は,急性発症の重度な自律神経障害と感覚障害を呈するニューロパチーで,運動障害は伴わない.AASNは上気道炎などの先行感染を契機に発症する例が多いことから,ギラン・バレー症候群類似の何らかの自己免疫性の機序の関与が推定されているが,病態に関連した自己抗体は特定されていない.

最新の治療状況
 IVIG,PE,副腎皮質ステロイド療法などの有効例が報告されているが,有効性について一定の見解は示されていない.

アフェレシスの根拠
 ギラン・バレー症候群類似の何らかの自己免疫性の機序の関与が推定されており,PEにより起立性低血圧を含む自律神経症状が著明に安定し,PEの有効性に関する症例報告が散見される.

施行上のポイント
 自律神経障害としての血圧変動に注意を要する.本疾患に対するアフェレシス療法は保険適用ではない.

施行回数・終了のめやす
 臨床経過をみながら週3~4回を目安に施行する.

保険適用*   無

文   献
 1) Koike H, Atsuta N, Adachi H, et al:Clinicopathological features of acute autonomic and sensory neuropathy. Brain 2010;133:2881-96
 2) Koike H, Watanabe H, Sobue G:The spectrum of immunemediated autonomic neuropathies:insights from the clinicopathological features. J Neurol Neurosurg Psychiatry 2013;84:98-106
 3) Koike H, Sobue G:The wide range of clinicopathological features in immune-mediated autonomic neuropathies. Clin Exp Neuroimmunol 2013;4:46-59
 4) 三枝園子,松下聡,向井栄一郎,他:妊娠後期に重症acute autonomic and sensory neuropathyを発症した1例.東海産科婦人科学会雑誌2000;37:145-9
 5) Gibbons CH, Vernino SA, Freeman R:Combined immunomodulatory therapy in autoimmune autonomic ganglionopathy. Arch Neurol 2008;65:213-7