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日本アフェレシス学会雑誌:5-2-27 循環器疾患領域:カルシフィラキシス

5-2-27 循環器疾患領域
カルシフィラキシス
アフェレシスの方法 LDL-A,PE,CF
アフェレシスの目的 カルシフィラキシスに伴う皮膚潰瘍・疼痛の改善
推奨レベル 2C
カテゴリー III
文献的報告数 RCT CT CS CR
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疾患概念
 慢性透析患者を中心として生じる有痛性多発性皮膚潰瘍を呈するもので,皮膚小動脈の石灰化が主たる病因と考えられるもの.潰瘍周辺に有痛性紫斑を伴うことが多く,難治性である.

最新の治療状況
 壊死組織の外科的切除や,カルシウム・リン管理,2次性副甲状腺機能亢進症の治療,チオ硫酸ナトリウム投与や高気圧酸素療法などが行われるが,現在まで確立した有効な治療法はない.

アフェレシスの根拠
 カルシフィラキシスに対するアフェレシス治療に関する報告は,現在までに少数の症例報告があるのみである.LDL-A有効例と無効例がそれぞれ1例,PE有効例1例,CF有効例が1例である.

施行上の注意点など
 リポソーバを用いたLDL-Aを行う場合には,ブラジキニンの代謝分解を抑制しアフェレシス治療中に血圧低下・ショックを呈する可能性があるため,アンジオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme:ACE)阻害薬は禁忌である.また,CFは,7日間連続,合計で1か月で18回施行され有効であったとする報告がある.

施行回数・終了時期など
 現状では保険適用はない.LDL-Aは,リポソーバLA15を用いて週1~2回で1クール合計10~12回,1回あたりの血漿処理量50~60mL/kg体重で行う.

保険適用*   無

文   献
 1) Iwagami M, Mochida Y, Ishioka K, et al:LDL-apheresis dramatically improves generalized calciphylaxis in a patient undergoing hemodialysis. Clin Nephrol 2014;8(3):198-202
 2) Shinozaki Y, Furuichi K, Sagara A, et al:Calciphylaxis induced by warfarin therapy in a patient with anti-phospholipid antibody syndrome associated with systemic lupus erythematosus. CEN Case Rep 2015;4(2):169-73
 3) Cai MM, Smith ER, Brumby C, et al:Fetuin-A-containing calciprotein particle levels can be reduced by dialysis, sodium thiosulphate and plasma exchange. Potential therapeutic implications for calciphylaxis? Nephrology 2013;18(11):724-7
 4) Siami GA, Siami FS:Intensive tandem cryofiltration apheresis and hemodialysis to treat a patient with severe calciphylaxis, cryoglobulinemia, and end-stage renal disease. ASAIO J 1999;45(3):229-33