血球細胞除去用浄化器「アダカラム®」の潰瘍性大腸炎の寛解維持における適正使用のお願い
血球細胞除去用浄化器「アダカラム®」(以下、本品)は、2021年7月14日付けで薬事承認上の使用目的に『潰瘍性大腸炎の寛解期における既存の薬物治療が無効、効果不十分または適用できない難治性患者の寛解維持』の適応が追加され、さらに2022年1月1日より保険適用となりました。
つきましては、下記の適用患者、用法・用量をご確認の上、適切な患者選択および本品の使用を行って頂きたく、宜しくお願い申し上げます。
●適用患者
・新たに追加された本品の適用範囲は、本品による寛解導入療法で寛解又は有効性が確認された潰瘍性大腸炎患者のうち、既存の薬物治療が無効、効果不十分または適用できない難治性(潰瘍性大腸炎・クローン病. 診断基準・治療指針における定義)1の患者です。
・潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針1 における寛解維持療法は、非難治例では5-ASA製剤(経口剤・注腸剤・坐剤)、難治例では免疫調節薬(アザチオプリン、6-MP)、インフリキシマブ点滴静注、アダリムマブ皮下注射・ゴリムマブ皮下注射、トファシチニブ経口、ベドリズマブ点滴静注、ウステキヌマブ皮下注射とされていますが、本品の適用は、これらの薬剤を承認範囲内で適切に使用しても無効、効果不十分な患者や、薬剤への不耐、薬剤による白血球減少等の重篤な副作用発現例、免疫機能の低下が考えられる高齢者や感染症や癌等の併存疾患を有するなど薬剤による寛解維持療法が適用困難な患者が対象となります。
・維持療法の初回実施にあたっては、医学的な必要性を診療報酬明細書の摘要欄に記載してください。
●用法・用量
・本品は潰瘍性大腸炎の寛解維持療法として、原則として2週間に1回の頻度で、48週間を限度として使用してください。
・薬事承認審査に用いられたデータCAPTAIN study2の試験期間は1年であり、より長期の効果の確認について十分なデータはありません。このため、1年以上継続する場合は、他の治療選択肢を十分に考慮したうえで、医療上の有益性が勝ると判断される場合のみご使用ください。その場合、改めて診療報酬明細書の摘要欄に理由を記載してください。
参考文献
1. 令和2年度改訂版(令和3年3月31日)潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)による令和2年度分担研究報告書 別冊
2. Naganuma M, Yokoyama Y, Motoya S, Watanabe K, Sawada K, Hirai F, Yamamoto T, Hanai H, Omori T, Kanai T, Hibi T, CAPTAIN study Group. Efficacy of apheresis as maintenance therapy for patients with ulcerative colitis in an open-label prospective multicenter randomised controlled trial. Journal of Gastroenterology. 2020; 55:390-400.
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