アフェレシスは、血液中の病気の原因となる因子を分離・除去して治療する広範な医療技術の総称です。
アフェレシスで分離・除去される血液中の因子には、抗体、炎症性サイトカイン、有害代謝物質、中毒物質などの液性因子やリンパ球、顆粒球、ウイルスなどがあります。これらを生体内から除去する事により病態の改善が得られる様々な自己免疫性疾患、代謝性・中毒性疾患や難治性炎症性疾患などにも適応が広がっており、さらにはウイルス性疾患にも適応が広がっています。対象となる疾患は、下記の表1に示すように消化器疾患、皮膚疾患、腎疾患などから神経疾患、臓器移植、敗血症などがあります。それぞれの標的因子に応じたアフェレシス治療法が開発されてきています。
これら以外にも今後、適応となる疾患が今後増えると考えられています。
表1 アフェレシスが適応となる疾患 2021年12月31日時点
※疾患名をクリックすると詳細(PDF)が表示されます
領 域 | 疾 患 等 |
救急疾患領域 | 重症敗血症および敗血症性ショック |
循環動態が不安定な腎不全 | |
急性薬物中毒 | |
血液疾患領域 | 血栓性血小板減少性紫斑病 |
過粘稠度症候群 | |
重度血液型不適合妊娠 | |
インヒビターを有する血友病 | |
溶血性尿毒症症候群 | |
膠原病・リウマチ性疾患領域 | 関節リウマチ・悪性関節リウマチ |
全身性エリテマトーデス | |
呼吸器疾患領域 | 間質性肺炎(特発性肺線維症)の急性増悪 |
循環器疾患領域 | 家族性高コレステロール血症 |
閉塞性動脈硬化症 | |
消化器疾患領域 | C型慢性肝炎 |
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病) | |
急性肝不全・劇症肝炎 | |
急性膵炎 | |
腹水 | |
神経疾患領域 | 多発性硬化症 |
ギラン・バレー症候群 | |
慢性炎症性脱髄性多発神経炎 | |
重症筋無力症 | |
腎疾患領域 | ABO不適合腎移植 |
抗白血球細胞質抗体(ANCA)型急速進行性糸球体腎炎 | |
ドナー特異的同種抗体陽性腎移植 | |
コレステロール塞栓症 | |
移植後巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)再発 | |
抗糸球体基底膜抗体(抗GBM抗体)型急速進行性糸球体腎炎 | |
糖尿病性腎症 | |
透析関連アミロイドーシス | |
難治性ネフローゼ症候群 | |
皮膚疾患領域 | スティーブンス-ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症 |
乾癬性関節炎 | |
天疱瘡 | |
膿疱性乾癬 | |
類天疱瘡 |
参考:外部リンク 難病情報センター
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