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理事長からのご挨拶

 




日本アフェレシス学会 新理事長

順天堂大学医学部膠原病内科

山路 健


アフェレシスで難病に挑む

一般社団法人 日本アフェレシス学会 理事長
山路 健


  2020年10月22日の新理事会において理事長を拝命いたしました順天堂大学医学部膠原病内科の山路 健でございます。これからの二年間、新理事長として日本アフェレシス学会の更なる発展のために尽力して参りたいと思います。

 オリンピックイヤーとなるはずであった2020年はCOVID-19感染症による未曾有のパンデミックが全世界を脅かすこれまでにない一年となりました。そんなCOVID-19もワクチンが開発され治療法も確立されることによって、いずれ人類によって制圧されることになるだろうと思われます。しかしながら、この世の中にはCOVID-19以外にも明確な治療法が未だに確立せず多くの人々が悩まされ、苦しんでいる病気、いわゆる難病・難治性病態が多く存在します。アフェレシス療法は薬物治療などの既存治療によって制圧できていない、いわゆる難病・難治性病態を抱える患者に一筋の光を与える可能性がある治療法だと思っています。一人でも多くの難病・難治性病態に悩み、苦しむ人々にアフェレシスの恩恵を届けることが我々、日本アフェレシス学会の使命であることを肝に銘じ、これから以下のことに精力的に取り組む所存でございます。
(1)アフェレシス療法の適応拡大を推進する
(2)本学会の国際化をさらに推進する

 アフェレシス療法の適応拡大を推進するには、その安全性・有効性について既存治療に対する優越性のエビデンスを示す必要がありますが、希少・難治性疾患領域を対象とすることが多いアフェレシス療法においては症例確保や倫理的な観点から困難を極めることが多くあります。さらには2018年に施行された臨床研究法の制定により臨床研究や医師主導・企業主導の治験などの臨床試験のハードルが高くなっています。そこで「臨床研究推進委員会(案)」を立ち上げ、学会として臨床研究のサポートをする仕組みを構築したいと思います。

 本学会の国際化のさらなる推進に向けては「国際化推進委員会(案)」を立ち上げ、会員の皆様が取り組む臨床ならびに基礎研究の成果を広くグローバルに発信できるようTherapeutic Apheresis and Dialysis などの国際的な学会誌への投稿・掲載をサポートし、International Society for Apheresis (ISFA) や American Society for Apheresis (ASFA)などの国際学会と連携・活性化を図り人的交流やジョイントセッションなどの機会を増やして行きたいと思います。
また、松尾秀徳前理事長が精力的に取り組んでこられたプロジェクトを踏襲して
(3)アフェレシスガイドラインを発刊し国際誌に掲載、継続的にバージョンアップを図る
(4)アフェレシスレジストリ―の登録医療機関を増やし、継続的に結果を公開する
につきましても力を注いで参りたいと思います。

 今回、遠藤善裕先生、伊藤孝史先生に副理事長をお願いし、また新しい理事の先生方にも加わっていただき、理事、評議員、そして会員の皆様のご協力を得て、本学会の発展のために尽力して参る所存ですので、何卒、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。